恋より早く。〜僕たち、親友同士で婚約しました!〜

「結婚しようよ」そう言い合った僕らは恋人同士でありませんでした。ひょんなことから婚約し同棲を始めた、親友のナナシロとしおりの生活をつづっていきます。

ADHDは甘えやサボりではないし心が弱いわけでもない

こんにちは。

 

午前中起きられない所為で病院の予約電話ができず「これって詰んでない?」と笑っているナナシロです。笑っている場合か。

 

さて、ある日のこと。

 

f:id:nanashio1010:20171013201703j:plain「僕は絶対にオペレーションが複雑な接客業とかできないと思うんだよね」

 

という話をしおりちゃんに振りました。

 

ADHDのナナシロがぶつかった壁

接客業をやったことがない僕がなぜ「できない」と言いきっているかというと、大学時代に学祭の実行委員をやっていたときにこんなことがあったからです。

 

学祭最終日のこと。

露店で使ったテントを解体してパイプ置き場に持ってくるように各団体に指示を出し、僕はそのパイプ置き場の誘導をやっていたのですが、パイプが何種類もある上に、間違ったまとめ方をして持ってくる団体がいたことでパニックを起こし、それこそ幼稚園児のようにただ指をくわえて見ていることしかできなかったのです。

 

「一本の鉄パイプをここへ運んでください」であればできるのですが、「鉄パイプAをこちらへ、鉄パイプBとCは向きを揃えてまとめてこちらへ、あ、後ろから来たあなたたちは……」となっただけで、途端に頭が真っ白になります。

 

要するに、オペレーションが複雑で、瞬時に判断して指示を出さなくてはならないものがまったくできないのです。

 

その頃の僕は、頭もそれなりに切れましたし、コミュニケーション能力が高く器用だったため、かなり自分に自信がある人だったのですが、このときはあまりの仕事のできなさに我ながら衝撃を受けました。

 

後輩たちから「先輩しっかりしてくださいよ」「何やってるんスか先輩」と言われ、僕は冷や汗を垂らしながら、それでも何もできず、数時間ずっと文句を言われたり笑われたりされ続けました。

 

それはもう、脳梗塞にでもなったのではないかというくらい動けなくなったので、未だに僕の中でよく覚えている出来事です。

(とはいえ、それ以前から「他の人は普通にやっているのに自分が苦手なこと」が結構あることには気付いていたんですけどね。)

 

今にして思えば、これがADHD特有のものだったのだと思います。

 

今回は僕から切りだしましたが、こうやって僕かしおりちゃんのどちらかが、自分がうまくできなかったことを話し始めると、「ADHDあるあるトーク」が始まります。

 

こうやってあるあるを共有することで、お互いどういうことが苦手でどういうことが得意かを把握でき、カバーしあうことができます。

 

ちなみに僕の「オペレーション複雑な接客業はできない」という振りに対して、しおりちゃんは、

 

f:id:nanashio1010:20171013201910j:plain「あ〜、分かります!私は接客自体は得意なんですが、デシャップ業務(配膳の指示)だと、頭が混乱しちゃってまったく仕事ができなくなっちゃいますね……!」

 

と返してくれました。

さすが相棒です。

 

ADHDのしおりちゃんがぶつかった壁

しおりちゃんは、真面目で明るくて誰からも愛される人なので、接客が得意なのは頷けます。

またしおりちゃんは料理も得意なため、調理の仕事はうまくできたようです。

ですが、彼女の場合は、どの料理をどの卓に持っていくか判断しておこなうデシャップ業務がまったくできなかったようです。

 

しおりちゃんが頭真っ白になって止まっていると、他のスタッフが「これそっち持っていってよ」「なんでぼーっとしているの、はいこれやって」と言ってくるので、あっぷあっぷになりながらも一応業務はこなしていたそうです。

 

彼女はどうやら、伝票とメニューとお客さんをパパッと頭の中で結びつけることだけができなかったばかりに、他がすべてうまくこなせても「忙しいときでもぼーっとしている子」という評価になってしまったようです。

 

調理や接客が周りの人たちよりいかに長けていても、一つ苦手な業務があるだけで「困った子」となってしまうのは、彼女にとってとてもつらかったことだろうと思います。

 

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もちろん理解がある職場だったおかげで得意なところを見てもらえることもあります。

が、たとえ風通しの良い職場であっても、「なんで自分はできないのか」と思いつめてしまって、その職場に通えなくなってしまうこともあります。

 

やる気や責任感があるからこそ、つぶれてしまうこともあるのです。

 

ADHDの人は「甘えだ」「サボっている」「心が弱い」と言われる

ADHDの人は、楽しく一生懸命仕事をしていたのに、あるとき突然苦手なことにぶち当たり、周りから

「なんでみんなできることなのにあなたはできないの?」

「これができてそれができないのはなんで?」

と言われます。

 

そんなの僕らの方が聞きたいくらいなんですけどね。

 

ですが、事実周りを見回すとそんなところでつまずいている人はいません。

だから僕らは焦りますし、真面目で責任感が強いのでなんとかしようと努力します。

 

けれども頑張っても頑張っても、周りからの叱責や「なんで?」という眼差しが増え、最終的にイライラした上司に

「君は甘えているだけだよ」

「サボっているからできないんだ」

と苦手な作業に直面するたびに言われることになります。

 

疲弊すればするほどさらにパフォーマンスが下がるので、まだ張りきって取りくんでいた頃にできていたことまでできなくなります。

僕の場合、Webデザイナー時代、社長からあまりに「なんでやらないの?」「甘えているよね」と言われすぎて、最終的に目の前で話している人の言葉が一つも耳に入らなくなりました。

 

上司が「なんで?」という疑問を投げかけるのも気持ち的には分かります。

「なんでできないのかロジカルに分析して反省してよ」というつもりで言っているのでしょう。

 

けれども、

「なんでそうしたの?」

「なんでできないの?」

「なんでやらないの?」

と言われ続けることは、正直かなりつらいです。

 

つらいことが繰り返されると僕らも一部の差別主義者が言うような狂人とか宇宙人ではないわけですから、当然どんどん傷つきます。

 

勉強で例えるのは微妙かもしれませんが、言ってみれば周りの同級生たちがみんな大学受験の数学を勉強している中、自分だけが小学校の算数でつまずいて、計算ドリルをやらされ、それでもできないことを「お前は高校生なのに、小学生ができることもできないのか」と言われ続けているようなものです。

 

それって、ADHDではないあなたであっても、きっと傷つきますよね?

そして傷ついた果てに投げかけられるのは「他の人も大変なのに、あなたは心が弱い」という言葉。

これはたまったもんじゃありません。

 

これは僕の個人的な考えですが、あらゆることで合理的で効率的な作業進行を求められる社会が、得意不得意の振れ幅や環境による影響が大きいADHDの人たちに合っていないのだろうなと思っています。

 

近年「大人のADHD」と呼ばれる人が増えたように見えるのも、経済の不況によって人材育成の余裕のない会社が増え、個人が責任を持つ業務の幅が増え、随所で苦手が目立つADHDの人が浮き彫りになってきただけではないか、と僕は思っています。

発達障害への理解が進んだから、などの異論も認めます。)

 

だから僕らはお互いをカバーする

とはいえ、ADHDといわれる特性を持って生まれてきた僕らが、「社会が僕らに合わせてくれなーい!」って嘆いていても仕方がないので、持っている武器で戦うしかありません。

 

なので、僕としおりちゃんが同棲してうまくカバーしあえている部分について紹介しようと思います。

 

僕としおりちゃんは同じADHDですが、得意不得意において結構異なる部分もあります。

 

例えば家事について。

 

僕は壊滅的に家事に興味がなく、とりわけ料理が極めて苦手です。

 

一人で家にいると倒れるまで水を飲まなかったりご飯を食べなかったりします。

レシピを読んでも分量を間違えないようにするのに気を使いすぎて、作るのに何時間もかかってしまいます。

(あと気をつけても分量間違えます。ご飯すら炊けるか不安です。笑)

なのでこれまでは、困ったら全部外食にするか、誰かにご飯をもらって生きてきました。

 

僕はそんなですが、しおりちゃんは味覚が鋭く、食べるものにもこだわりがあり、料理が好きです。

また、彼女は自分の作業の休憩代わりに家事を入れることでうまく自分をコントロールしています。

 

なので、自然としおりちゃんが家事全般をこなし、僕は何もしないという関係になっています。

僕がやるのはせいぜい食器を下げ、たまに洗い物をするくらいです。

 

もちろん、しおりちゃんが困っているときは助けますが、彼女は基本的に自分で管理して家事を進めていきたい人なので、僕が手伝うことはほとんどありません。

 

世間では、男が家事をもっと手伝うべきだという風潮がありますが、僕らは自分たちが生きやすいやり方でお互いをカバーし合っています。

 

一方で、しおりちゃんは僕より躁や鬱のアップダウンが激しいため、たまに自分でうまくコントロールできなくなることがあります。

また、一人で生きることに慣れているため、誰かに頼るのがとても苦手です。

 

自分が動けないときや、コントロールを失ってどんどん鬱になってしまったときなどに、自分の今の状態やどうしたらいいかなどを話せる相手がいるというのは大きいです。

 

僕は彼女のことを絶対に責めませんし、いざというときは明るくてポジティブですし、彼女がどれだけ気まぐれな行動をしても変に干渉せず放っておきます。

なので、マイペースで自分のことは自分で管理したいしおりちゃんにとっては、唯一「一緒に生活できる」と思った人だったようです。

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 なので僕らは、世間体など意に介さず一緒にいることを選んで良かったね、と言っています。

 

もちろんまだ一緒に生活し始めたばかりなので、これからどうなるか分かりませんけどね。

 

でもこうやって、お互い尊重してカバーしあっていけば、絶対に道は開けると思っています。

 

ちょっと長くなっちゃいましたが、夜にしおりちゃんと「こんな記事を書こうと思っているんだ」と話しあっていたら、思ったより盛りあがったため、こうなりました。笑

 

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